東海道本線(膳所~草津間)

東海道本線の膳所~関ヶ原間は少し遅れて明治22年に開通しました。

 滋賀県内は天井川が多く存在し東海道本線全通時には狼川、草津川、家棟川(屋の棟川)と三つの川の下をトンネルで通っていました。

 現在も草津川隧道は残っていますが、狼川隧道は本線が盛土でかさ上げされて鉄橋化されました、家棟川(屋の棟川)は野洲電車区の造成時に川の付け替えが行われ現存していません。

 膳所駅から南東へ

 瀬田川を渡り北東に南草津駅の手前800m狼川があります、この狼川鉄橋の両サイド堤防の下には狼川隧道の下り線の坑口が顔を見せています、東側の坑口は道路からも確認ができます。

 隧道の内部は埋め戻されていますが、坑口付近は坑内に入る事ができます、この狼川隧道は「ねじりまんぽ」と呼ばれるレンガ積みのトンネルで日本には30箇所弱しか残っていない貴重なレンガ積みのトンネルです。

 特に狼川隧道は「ねじりまんぽ」のトンネルでも特殊で坑口だけをレンガの斜め積みで組み上げ坑内の直線部分はレンガを普通に積み上げられたトンネルです。

 トンネル内部は落石があったのか、大きな穴が開いていて土が流れ出したようになっています。

 反対側の西側の抗口は付近に道がないので、地元の方にお願いして個人の敷地を歩かせてもらい撮影しました。

 こちら側も崩壊していますので入り口だけしか見れません。

 草津駅の南側へ約200mの所には草津川トンネルがあります。

 草津川は地面より高い所を流れている天井川だったのですが、近年、防災上の観点から上流に約1.5kmの地点で付け替えが行われ現在は青地川となっています。

 坑口は一箇所だけ昔のままのレンガ作りで残っていますが、もう一箇所の坑口は複々線化の折か電化の折に壊されたようで、現存していません。

 また、この先の野洲駅北側にも「屋ノ棟川」という天井川があったそうですが、野洲電車区を設置する時に川の付け替え工事が行われ現存していません、この「屋ノ棟川」は同じくレンガ作りで川と鉄道が斜めに交差していたために「ねじりまんぽ」と言う構造で作られたそうです。