山陰本線(園部駅~殿田(現・日吉)駅)

 

官設鉄道として作られた園部駅からスタートです。

 京都府南丹市園部町に位置する園部駅は明治32年(1899年)8月15日に京都鉄道株式会社の終着駅として開業した駅です。

 園部駅以北は資金難から京都鉄道株式会社の作ることが出来ずに、京都鉄道株式会社に交付されていた園部~舞鶴間の鉄道免許を取り消し、政府は自らの手で鉄道の建設を開始しました。

 園部駅を出発するとすぐに園部川を渡りますが、この園部川は改修がされていて当時の面影は残っていません、園部川に沿うように北へ進んだ山陰本線は園部町千妻附近に入ってきます。

 京都鉄道株式会社が敷設した区間は橋台もレンガ作りでしたが、官設鉄道が敷設した区間は石積みの橋台になっています。

 北側の橋台も

 石積みの橋台です、橋桁はコンクリートの暗渠に変わってしまっていますが、当時の面影が伝わってきます。

 小さな橋梁から北へ30m

 神田川に掛かる神田川橋梁です。

 鉄橋は国鉄時代に架け替えられたようですが、当時の面影を残しています。

 川の中央部に有る橋脚も石積みの小判型と呼ばれる橋脚になっています。

 神田川から北へ450m

 諏訪山隧道の南側坑門にたどり着きます。

 この坑門を拡大してみますと

 この坑門は電化のさいにアーチ部の覆工を削り取って大きくしたようで、迫持が削り取られています、側壁の構造は石積みでその他の場所はレンガ積みで作られています。 特徴としては笠石が帯石、壁柱が施されています。

 北側の坑門は

 南側と同じ特徴を持った坑門です。

 このトンネルの横は船岡駅です、この船岡駅は昭和28年に開設された駅で開業当時はただの盛土だったようです、この船岡駅の下には

 この盛土にはポッカリと穴が開いています。

 近づいてみると

 まんぽが存在していました、アーチ部はレンガ造りの覆工(迫持)で覆われていて、回りは石積みになっています。

 特徴が無いか近づいて見ますと

 特徴的なのは笠石が存在する事と最上段の石が横に長い石が使われている事が特徴でしょうか?

 まんぽの内部は

 アーチ部がレンガの長手積みになっていることと、側壁が切石の長手積みになっていることぐらいが特徴なのと、駅を作るに当たってまんぽをコンクリートで延長してある事が特筆できることです。

 山陰本線はこの後、船岡隧道を通り桂川を渡ってゆきますが、再度桂川を渡る手前から新線に移行しています、旧線は桂川の南北岸に橋台を残し、旧・新前山隧道はコンクリートで坑門が閉鎖されています。

 近日中に再取材に向かいたいと思っています。