北陸本線(旧線跡・疋田~木ノ本間)

 旧・北陸本線は福井県敦賀市小河口付近から現・北陸本線と別れ五井川沿いにコースを変えます、敦賀市市橋付近からは国道8号線に改修されていて、敦賀市疋田付近からは国道8号線と並行する旧道が旧線跡のようです。

 疋田の町中で旧線の遺構を発見しました。

 草に覆われていますが、道路の下にアーチ状の用水路トンネルがあります。

 角度を変えてみると

 レンガつくりのまんぽがこのような所に存在していました。

 と言う事は

 このまんぽの上が旧線跡になるのです、改めて道路を見てみると谷積みの石積みの土留め壁がそれらしく見えてきました。

 疋田の町中を出ると五井川を渡り再度国道8号線に吸収されてしまいます、五井川橋梁は残念ながら橋台も橋桁も当時の遺構としては確証がとれず、先に進むことになりました。

 国道8号線に改修された旧線跡は奥麻生川を度々渡り敦賀市曽々木付近に向かいます、曽々木では曽々木隧道も国道8号線への改修工事で切り通しになってしまいました、旧線は曽々木で東へ曲がり、奥麻生川(第四奥麻生川橋梁)を渡り県道140号線として東に向かいます、第一~第四奥麻生川橋梁は残念ながら橋台も橋桁も当時の遺構としては確証がとれませんでした。

 県道140号線になった旧線は笙川沿いに東に向かいます、第一~第四笙川橋梁は県道工事で新しい橋に変わってしまっています、旧刀根隧道も道路トンネルとして拡幅工事が行われて

 きれいな大きいトンネルになってしまいました(第五笙川橋梁付近から撮影)、ここから県道140号線は笙川に沿って北へ曲がりますが、旧線はまっすぐ東に進みます。

 この付近での遺構発見第一号は第五笙川橋梁です。

 橋台も石積みのまま残っており橋桁も腐食は激しいものの当時のまま残っているようです。

 この橋梁を渡ると、そこには当時の面影が髣髴とさせるような景色が広がっています。

 石積みで作られた重厚な坑門が待ち受けているのです、これが小刀根隧道です。

 この小刀根隧道は敦賀市指定文化財に認定されており、説明の看板が横に立っています。

 この看板に書かれているように明治14年に作られた証が西側坑門には残っています。

 隧道坑門の特徴を見てゆきましょう。

 このトンネルの一番の特徴は要石にトンネルが完成した年号が刻印されていることです。 その他には帯石が表現されている事とパラペットや坑門が切石で積まれている事、覆工の迫石はレンガで四層に積まれている事があげられます。

 アーチ部から側壁に掛けてと壁柱の特徴は

 壁柱が長手積みの切石で組まれている事と覆工の側壁部分が堅積みと言われる工法によって組み上げられています。